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2006.03.07

Donald Fagen:MP3.comでのインタビュー記事-1

3月2日付けのMP3.comでドナルドフェイゲンのInterviewを見つけたので、また訳してみます。今回のインタビューは、新作Morph the Catの内容だけでなく、自分の作品のバックグラウンドや、現在のポピュラーミュージックに対するフェイゲンの見方なども聞くことができて、なかなかオモシロイです。

Interview with Donald Fagen
http://www.mp3.com/stories/3491.html

前回のエントリのものよりはかなり訳しやすいです。
前回訳したエントリはこちら..
too high: ドナルドフェイゲンMorph The Cat発売のインタビュー記事
http://dunga.cocolog-nifty.com/too_high/2006/02/morph_the_cat_2a15.html
http://dunga.cocolog-nifty.com/too_high/2006/03/morph_the_cat_93ad.html

ただし、非常に長いので今回も2回に分けてアップします。
Chris Rollsさんという方のインタビューです。

[ ]内は私の注釈です
----------------------------------------
ドナルドフェイゲンは、30年以上因習にとらわれない知性をポピュラーミュージックに注入し続けている。

1982年、フェイゲンはThe Nightflyをリリース。
adult lifeについて青春期のファンタジーを記録した、逆未来派(?retro-futurist concept)のコンセプトアルバムだ。
(ウマク訳せません..)
> Back in 1982 Fagen released The Nightfly, a retro-futurist concept album
> chronicling adolescent fantasies about adult life.

10年の中断のあと、フェイゲンのソロ2作目が発表された。カマキリアドは、サイバーパンクを燃料にした中年男の冒険だ。
そしてその13年後フェイゲン3部作の最終作 Morph The Catが発表された。今回はフェイゲンが探検したのは人間の経験の中で頂点に立つもの「死」だ。

これは憂鬱な題材かも知れない。でも、フェイゲンは彼の音楽の特徴である、時代を感じさせないクールさと、緻密に作られたジャズ起源のポップミュージック(jazz-come-pop)でそのアンニュイさを見えないようにしている。

幸いなことに、フェイゲンはMorph The Catについて話すだけでなくブラックユーモアの作者からの影響、戦争の時代のセクシーさ、レゲエミュージックの登場以来どのようにしてポピュラーミュージックにオモシロイことが起こらなくなったのか、などを話す時間を取ってくれた。


Chris: 今度のアルバムはスバラシイですね。

Donald: おお、ありがとう。

Chris: 前作から13年経ちましたね

Donald: うん、かなり時間が経ってしまったね。

Chris: なぜこんなに時間が空いてしまったのでしょうか?

Donald: ん~[言いにくそうな感じ]まずは、とてもキツイスティリーダンのギグがあって、それに集中しなくてはいけなかった。それにスティリーダンのアルバムを作ったり、ツアーを進めたりで、ソロの仕事に取りかかるチャンスがなかったんだ。

Chris: わかります。「このアルバムは3部作の最終作だ」という文書を読みました。
これは本当ですか?そして、もしそれが本当だったとしてこのアルバム[Morph The Cat]は、あなたの最後のソロアルバムだと考えていいのですか?

Donald: いやそれ[最後のソロアルバムだということ]は違うね。ただ3部作の最後の作品だということは本当だ。もしMorph The Catが3部作の最終作でないのなら、Morph The Catに何か違う名前を付けなくてはいけない。
1stアルバムは1982年のThe Nightfly 2ndアルバムは1993年のKamakiriadだ。でもこれらはある意味中途半端なクオリティの作品だ。
Kamakiriadは"cliff-hanger"の状態で終わっている。で、3作目が必要だと気付いたんだ。

Chris: その"cliff-hanger"ということを、もう少し説明してもらえますか?

Donald: ん~..最初のアルバムThe Nightflyは、なんて言うか若い人の視点の作品だ。まあ10代前半ぐらいかな。KamakiriadはちょっとSFチックな感じはあるけど、
まさに大人になってからの作品だ。
いま私は58歳だ。死に向かって歩いているといったところだろうか。でもKamakiriadは、今自分がどこにいるのかもわからず、これから知らないところに未来の車でドライブをしていこうというところで終わっている。
だから、この作品はサスペンスに満ちた終わり方をしている。

Chris: スティリーダンやあなたのソロの、ほとんどの作品にはたくさんの皮肉なユーモアと謎めいた叙情性がちりばめられていますね。
作品を作るときには、あらかじめ叙情的(lyrical)なテーマを用意しておくのですか?それとも作品を作ってゆく過程の中でだんだん作られていくのですか?

Donald:スティリーダンでは、テーマをあらかじめ用意していたことはなかった。
もちろんこういう考えをアルバムに反映させようとか、こういう時代背景をアルバムに反映させよう..というようなことを考えてはいたけど。
でも、自分の作品ではその通りかもしれない。The Nightflyを作ったときは半自伝的な作品にしようと考えていた、と覚えている。Kamakiriadの時はとても曖昧なストーリーラインしか持っていなかった。ストーリーを固めすぎてしまうのは好きじゃないんだ。
でも、3つの作品を並べてみると基本的なテーマはやっぱりあるね。人生の3つの時代とか、そんなようなものだね。

Chris: あなたのインスピレーション、リリカルなインスピレーションは、あなた個人の見方から来ているのですか?

Donald:それはソロ?それともスティリーダンの作品?

Chris:特にソロ作品ですね

Donald:スティリーダンとソロ作品の一番大きな違いは、ソロはちょっと個人的で主観的で、自伝的な内容を扱っているところだね。

Chris: じゃあスティリーダンの作品でのインスピレーションは、[個人の体験ではなく]もっと外的な経験からのものなのですか?

Donald: ウォルターベッカーと私は何年もの間集合的なペルソナ[外部の環境に適応するため、自らが理性的に作り上げた部分人格(仮面)]を作り上げてきた。それは歌を作ったり、スティリーダンのように彼女がいない男のようなペルソナだ。
彼[そのペルソナ]は、たくさんの防御機能を備えているけど、時々それを壊してしまったり、たまにはその防御が丸見えだったりする。そう、まさにそのキャラクターは問題だらけで強情だ。

Chris: それがスティリーダンのキャラクター?

Donald: うん、そうだ。

Chris: そのキャラクターは、よく知られているように有名なウイリアムバロウズの小説から取られたものですよね。

Donald: そうだ。

Chris: インスピレーションを得るために、小説をよく利用しますか?

Donald:ウォルターも私も10歳ぐらいのホントに子どもの頃から、当時としては珍しくジャズのファンだった。しかも二人とも文学に対する興味も似ている。特にブラックユーモアの使い手と呼ばれている作家、アフリカ系のアメリカ人ではなく暗いユーモリストKurt Vonnegut and Thomas Berger, Philip Roth, and Vladimir Nabokovのような作家が好きだ。これらの作家はとてもバラエティに富んでいる。当時これらの作家たちは文学に分類されていた。いまは誰も文学に分類はしないが、50年代初期から60年代は初期のころまでは、非常に大きい影響力を持っていた。
[すみません、この分類の話しのあたりはよくわかりません]

Chris: Philip K. Dick[映画ブレードランナーの原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の作者]のファンでしたよね?

Donald: うん、そうだね。でも当時はサイエンスフィクションは文学とはみなされていなかった。でも実際のところ Philip K. Dick , Frederick Pohl, C.M. Kornbluth, Alfred Bester , Theodore Sturgeonなどは別格だった。
ほとんどのサイエンスフィクションの作家たちは皮肉屋だ。今の時代を風刺するためだけにフォーラム(?)を利用している。

Chris: そしてそのような文学的なテーマが、あなたの作品(ソロもスティリーダンも)のリリシズムに影響を与え続けているのですね。そして、そのようなことが現在のポピュラーミュージックには欠けているように思えます。そのようなことについてあなたがどう考えているか、興味があるのですが?

Donald: ほとんどのポピュラーカルチャー[の作り手は]は、本を読むということをしていないね。

Chris: ん~まさにそうです。それがまたポピュラーミュージックにも反映していると思います。ポピュラーミュージック産業についてはどう思われますか?

Donald:音楽産業とはほとんど連絡を取っていないんだ。最近やっとワーナーブラザーズの人たちと話したぐらいだ。
The Nightflyを出した1982年からワーナーブラザーズに所属しているけど、このアルバムが出るまでの間一度もワーナーブラザーズから電話をもらったことはないよ。
何か特別の用がない限り、音楽の会社と連絡をとることはないんだ。
一旦アルバムが発売になればみんなクビになってしまって、人がみんな入れ替わる。新しく入った人たちは当然みんな若い。どんどん若くなっていくから、私が誰であるかも知らない人がいる。だからまた自己紹介をやり直さなければいけない...いかに私が音楽業界にとってエイリアンかわかるだろ?

Chris: まさに"man on the hill."という状態ですね。

Donald: そのとおり。

Chris: 最近の音楽はお聴きになっているのはありますか?

Donald: それほどは聴かないね。誰かが持ってきてくれてたモノで、いいと思えるものがたまにあるぐらい。
でも、自分から聴くのは高校時代から聴いている40枚ぐらいのジャズのレコードだけだね。

Chris: あなたが、自己紹介をやり直さなければいけないという話しはなんだかおかしいですね。あなたの音楽は長年に渡って確実に生き残っているし、ちょっと聴けばすぐあなたの曲だとわかります。

Donald: ありがとう。
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以下は次のエントリでアップします。
後半部分はMorph The Catの制作過程やGrammy賞の話しなどが出てきます。

ドナルド・フェイゲン
ワーナーミュージック・ジャパン (2006/03/29)
モーフ・ザ・キャット

モーフ・ザ・キャット

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